入札情報は以下の通りです。

件名新防災教育施設展示設計業務委託の一般競争入札について
種別役務
公示日または更新日2024 年 3 月 22 日
組織栃木県
取得日2024 年 3 月 22 日 19:07:39

公告内容

○入札公告次のとおり一般競争入札に付する。令和6(2024)年3月22日栃木県知事 福 田 富 一1 入札に付する事項(1) 委託業務件名 新防災教育施設展示設計業務委託(2) 委託業務内容 仕様書のとおり(3) 履行期間 契約締結の日から令和8(2026)年1月30日まで2 入札に参加する者に必要な資格(1) 地方自治法施行令(昭和22年政令第16号)第167条の4に規定する者に該当しない者であること。(2) 競争入札参加者資格等(平成8年栃木県告示第105号)に基づき、「企画、公告、イベント」又は「その他のサービス」の入札参加資格を有する者と決定された者であること。(3) 入札参加申請日から開札日において、栃木県競争入札参加資格者指名停止等措置要領(平成22(2010)年3月12日付け会計第129号)に基づく指名停止期間中でない者であること。(4) 平成26(2014)年4月1日から令和6(2024)年3月31日までの間に、国又は地方公共団体が設置する「防災教育施設、消防署等の防災展示施設等、防災に関する常設の展示施設」又は「博物館や科学館等(博物館法(昭和26年法律第285号)第11条及び第31条に規定する博物館及び博物館に相当する施設。美術館、動植物園及び水族館を除く。)常設の展示施設」の新設又は改修における展示設計業務の元請としての契約履行実績を2件以上有していること(既に契約期間が満了したものに限る。共同企業体による実績の場合は、代表企業としての実績に限る。)ただし、ここでいう展示設計業務とは設計対象展示面積が1,000㎡以上であり、かつ契約金額4,000万円税込以上の展示造作、メカニカル装置、模型造形、映像・音響機器、映像・音響ソフト、電気設備等一式の展示制作に係る総合的な設計業務とする。(5) 建築士法(昭和25年法律第202号)第23条の規定に基づく一級建築士事務所として登録を行っている建築士事務所であり、直接的かつ恒常的な雇用関係にある一級建築士が2名以上在籍している建築士事務所であること。(6) 国又は地方公共団体が設置する常設の展示施設における展示設計業務の従事経験を有し、建築士法に基づく一級建築士を担当技術者として配置できること。当該担当技術者は、入札参加申込時の3ヶ月以上前から、入札参加者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあり、建築士事務所の管理建築士ではないこと。(7) 国又は地方公共団体が設置する常設の展示施設における指定管理者制度又はPFI事業等による運営業務の元請としての契約履行実績を有していること(契約期間中のものも可とする。共同企業体による実績の場合は、代表企業としての実績に限る。)。3 入札の手続等(1) 契約に関する事務を担当する課の名称等〒320-8501 栃木県宇都宮市塙田1丁目1番20号栃木県危機管理防災局危機管理課災害対策担当 電話028-623-2136(2) 入札説明書の交付期間、交付場所及び交付方法令和6(2024)年3月22日から令和6(2024)年3月29日まで、栃木県ホームページ上で公開する。なお、来庁による交付の場合は、同期間(土曜日、日曜日及び祝日を除く。)の午前10時から正午まで及び午後1時から午後4時まで、(1)の場所において交付する。(3) 入札及び開札の日時及び場所ア 入札書の提出期限及び提出場所 令和6(2024)年4月16日午前11時まで 栃木県庁舎本館8階危機管理課(〒320-8501 栃木県宇都宮市塙田1丁目1番20号)(郵送(書留郵便)による提出の場合は、(1)の場所へ前日午後5時までに到達するように送付すること。)イ 開札の日時及び場所 令和6(2024)年4月16日午前11時 栃木県庁舎本館8階危機管理センター(危機管理対策室)(〒320-8501 栃木県宇都宮市塙田1丁目1番20号)(4) 入札方法1の(1)の件名により、総価で入札に付する。(5) 入札書の記載方法等落札決定に当たっては、入札書に記載された金額をもって落札価格とし、落札価格に当該金額の100分の10に相当する額を加算した金額(当該金額に1円未満の端数がある場合には、その端数金額を切り捨てるものとする。)をもって契約金額とするので、入札者は、消費税及び地方消費税に係る課税事業者であるかを問わず、契約を希望する見積金額の110分の100に相当する金額を入札書に記載すること。(6) その他入札に参加しようとする者は、次により持参又は郵送(書留郵便)で書類を提出し、確認を受けなければならない。ア 提出期限 令和6(2024)年3月29日イ 提出場所 (1)の場所ウ 提出書類 競争参加資格確認申請書(別紙様式)及び競争参加資格確認資料(別紙様式)エ 確認結果 令和6(2024)年4月3日までに申請者に通知する。4 その他(1) 入札保証金 免除(2) 契約保証金 納付。ただし、栃木県財務規則(平成7年栃木県規則第12号)第143条第2項の規定により担保の提供をもって契約保証金の納付に代えることができる。また、同規則第144条第1号、第1号の2及び第2号に該当する場合は、契約保証金の納付を免除する。なお、同条第3号に該当するときは契約保証金を免除することがある。契約保証金の額、保証金額又は保険金額は、契約金額の10分の1とする。(3) 入札の無効ア 2の入札参加資格のない者の提出した入札書イ 入札者に求められる義務を履行しなかった者の提出した入札書ウ 栃木県財務規則第156条第3号から第7号までに掲げる入札に係る入札書(4) 落札者の決定方法栃木県財務規則第154条の規定に基づいて設定された予定価格の範囲内で最低制限価格以上の最低価格をもって有効な入札を行った者を落札者とする。(5) その他ア 最低制限価格の有無 有イ 契約書作成の要否 要ウ その他 詳細は入札説明書による。(危機管理課)

1入札説明書栃木県危機管理防災局危機管理課1 入札に付する事項入札公告と同様2 入札に参加する者に必要な資格入札公告と同様3-1 入札の手続等入札公告と同様3-2 入札の手続等に係る補足事項(1) 仕様書等に関する質問及び回答仕様書等について質問がある場合には、簡易な内容を除き次により電子メールで質問書を提出すること(様式は任意。)。ア 提出期限 令和6(2024)年3月29日イ 質問への回答期限 令和6(2024)年4月3日ウ メールアドレス kikikanri@pref.tochigi.lg.jpエ その他 質問への回答は電子メール等により質問者宛てに行うこととし、入札公告3の(6)の競争参加資格の確認ができた者(以下「入札参加者」という。)にも回答内容を周知する。(2) 入札の無効入札公告と同様(3) 落札者の決定方法入札公告と同様(4) 入札書の提出、開札等ア 入札執行回数は2回とする。イ 原則として入札及び開札の日時及び場所に出席し、入札書を封書にして提出すること。

ただし、出席することが困難な場合には郵送(書留郵便)による提出を認める。なお、その場合、再度の入札に参加することはできない。ウ 入札及び開札の時刻は予定であり、当日の状況により遅れる場合がある。エ 入札書は別紙様式を使用すること。オ 郵送(書留郵便)により入札書を提出しようとする者は、次により提出すること。入札書を入札用封筒に入れて封かんし、それを別の外封筒に入れて送付すること。外封筒には、入札公告1の(1)の委託業務件名及び入札者の商号又は名称を記載し、入札書在中の旨を朱書きすること。カ 入札書の提出に際し、入札書に記載される金額に対応した業務費内訳書(別紙様式)を併せて提出すること。提出方法は入札書と同様とする。キ 入札は代理人をして行わせることができる。この場合、当該代理人は入札前に委任状(別紙様式)を提出しなければならない。なお、代理人は、同一の入札について同時に2人以2上の代理をすることができない。また、入札参加者は、同一の入札について他の入札参加者の代理をすることができない。ク 同一の最低価格が2者以上の場合は、くじ引きにより決定する。ケ 初回の入札の結果、落札者がなかったときは直ちに再度の入札を行う。再度の入札には、初回において、入札に参加しなかった者、無効の入札をした者、最低制限価格を下回った者及び郵送(書留郵便)により入札書の提出をした者は参加できない。なお、2回も不調の場合は、最低入札価格提示者と随意契約について協議する場合がある。コ 提出された入札書は、引換え、変更又は取消しを認めないものとする。サ 入札参加者が入札を辞退する場合は、入札辞退届(別紙様式)を提出すること。シ 落札者が契約担当者等の定める期日までに契約書の取り交わしを行わないときは、落札者の決定を取り消すものとする。(5) 入札保証金及び契約保証金入札公告と同様(6) 支払条件契約代金は、契約書に定めるところにより支払うものとする。なお、栃木県財務規則(平成7年栃木県規則第12号)第148条の規定により部分払の請求をすることができる。(7) この入札及び契約は、県の都合により停止することがある。

1新防災教育施設展示設計業務委託仕様書本仕様書は、栃木県(以下「甲」という。)が発注する「新防災教育施設展示設計業務」を委託する者(以下「乙」という。)の業務について、必要な事項を定めるものである。1 委託業務名新防災教育施設展示設計業務2 委託期間契約締結の日から令和8(2026)年1月30日(金)まで3 事業の背景栃木県は地域防災計画の中で、県内外における大規模災害時の的確な被災地支援のための機能と地域住民が適切な避難行動等を行えるようにするための平時からの防災にかかる学習・教育機能を兼ね備えた総合的な防災拠点として、広域災害対策活動拠点、広域物資拠点に位置付けられ各種防災機能を有するとともに、県央部に位置し県内全域をカバーできる県総合運動公園を指定した。4 事業の目的新防災教育施設は、令和5年度に策定した「新防災教育施設基本計画」(以下「基本計画」という。)に基づき、基本理念を「防災教育を通した「助け合う未来のとちぎ人づくり」のための拠点」とする。基本理念である「助け合う未来のとちぎ人」を育成し、災害から大切な命を守れるようにするため、先進技術などの効果的な活用により災害を自分事化(体感)することで、防災を学ぶ動機付けを与え、災害のメカニズム、体験、災害への備え、自助、共助などといった防災に関する一連の流れが、ストーリー性を持って学べる、実践につながるような施設を目指していく。さらに、防災士会などの防災関連団体、自主防災組織や消防団などの地域、大学などの高等教育機関と連携しながら、これからの栃木県の未来を担う子どもを中心に、広く県内全域へ防災教育を本施設が提供することで、防災をきっかけに人々がつながり合える場としていく。本業務は、防災教育施設のあるべき姿や各機能の考え方、展示計画等を整理した「新防災教育施設基本計画」(以下「基本計画」という。)を踏まえ展示等の設計を行うものである。5 業務内容(1) 展示基本設計業務施設機能構成及び建物配置方針の検討のための資料作成展示シナリオ・展示体験項目計画の検討展示ゾーニング及び動線計画の作成展示空間の意匠及び設備(展示造作、メカニカル装置、模型造形、映像・音響機器、電気設備等)の概略検討展示情報(グラフィック、映像・音響ソフト等)の概略検討基本設計図書(平面図、立面図、各専門工種別概略図等)の作成展示制作概算書の作成展示制作概略工程計画表の作成その他基本設計に必要な資料の作成2(2) 展示実施設計業務展示空間の意匠及び設備(展示造作、メカニカル装置、模型造形、映像・音響機器、電気設備等)の詳細検討展示情報(グラフィック、映像・音響ソフト等)の詳細検討実施設計図(特記仕様書、配置図、内部仕上表、平面図、立面図、断面図、各専門工種別詳細図、内観イメージパース等)の作成展示制作費積算書(内訳書、参考見積書及び見積比較表の作成を含む。)の作成展示制作詳細工程計画表の作成危機管理防災局危機管理課及び関係各課との打ち合わせ協議(打ち合わせ協議資料及び議事録の作成を含む。)その他実施設計に必要な資料の作成(3) 建築設計との調整業務受注者は、発注者が関連する建築設計業務と調整した場合、発注者の調整に従い、建築設計業務の円滑な遂行に協力しなければならない。県土整備部建築課、関係各課及び建築設計業務受託業者との打ち合わせ協議(打ち合わせ協議資料及び議事録の作成を含む。)関係官公署等との打ち合わせ協議(打ち合わせ協議資料及び議事録の作成を含む。)6 成果品の提出乙は業務完了後速やかに以下の成果品を甲に提出すること。(1) 展示基本設計業務(納品期限:令和7年1月31日)展示基本設計図 (A3判) 20部展示制作費概算書 (A3判又はA4判) 20部展示制作概略計画工程表 (A3判又はA4判) 20部打ち合わせ協議議事録 (A4判) 1部上記の電子データ一式 (CD-R若しくはDVD-R) 1部※電子データの保存形式等については、業務着手時に担当職員と協議すること。(2) 展示実施設計業務(納品期限:令和8年1月30日)展示実施設計図 (A3判) 20部展示制作費積算書 (A3判又はA4判) 20部展示制作詳細工程計画表 (A3判又はA4判) 20部打ち合わせ協議議事録 (A4判) 1部上記の電子データ一式 (CD-R若しくはDVD-R) 1部※電子データの保存形式等については、業務着手時に担当職員と協議すること。(3) 建築設計との調整業務(納品期限:適時)打ち合わせ協議議事録 (A4判) 1部上記の電子データ一式 (CD-R若しくはDVD-R) 1部※電子データの保存形式等については、業務着手時に担当職員と協議すること。7 その他(1) 業務成果物( 著作権及び使用権を含む) は全て甲に帰属する。(2) 乙において発生する、本業務に係る一切の経費は、すべて当初委託金額に含む。(3) 乙が本業務を実施するに当たっては、関係法令を順守し、甲と協議を重ねながら、適正に履行すること。(4) この仕様書に明示されていない事項又は業務上疑義が生じた場合は、甲乙協議のもと業務を進めるものとする。3(5) 乙は業務を実施するにあたり、管理技術者、主任担当技術者及び担当技術者を定め、工程表も含めた実施計画書を甲に提出しなければならない。その際、以下に留意すること。乙は、平成26(2014)年4月1日から令和6(2024)年3月31日までの間に、国又は地方公共団体が設置する「防災教育施設、消防署等の防災展示施設等、防災に関する常設の展示施設」又は「博物館や科学館等(博物館法(昭和26年法律第285号)第11条及び第31条に規定する博物館及び博物館に相当する施設。美術館、動植物園及び水族館を除く。)常設の展示施設」の新設又は改修における展示設計業務の元請としての契約履行実績を2件以上有していること(既に契約期間が満了したものに限る。共同企業体による実績の場合は、代表企業としての実績に限る。)ただし、ここでいう展示設計業務とは設計対象展示面積が1,000㎡以上であり、かつ契約金額4,000万円税込以上の展示造作、メカニカル装置、模型造形、映像・音響機器、映像・音響ソフト、電気設備等一式の展示制作に係る総合的な設計業務とする。乙は、建築士法(昭和25年法律第202号)第23条の規定に基づく一級建築士事務所として登録を行っている建築士事務所であり、直接的かつ恒常的な雇用関係にある一級建築士が2名以上在籍している建築士事務所であること。乙は、国又は地方公共団体が設置する常設の展示施設における展示設計業務の従事経験を有し、建築士法に基づく一級建築士を担当技術者として配置できること。

当該担当技術者は、入札参加申込時の3ヶ月以上前から、入札参加者と直接的かつ恒常的な雇用関係にあり、建築士事務所の管理建築士ではないこと。乙は、国又は地方公共団体が設置する常設の展示施設における指定管理者制度又はPFI事業等による運営業務の元請としての契約履行実績を有していること(契約期間中のものも可とする。共同企業体による実績の場合は、代表企業としての実績に限る。)。(6) また、甲は契約期間中のいつでも、業務状況について、乙に対して報告を求めることができるものとする。(7) 本仕様書に記載の成果と同等以上の成果が得られる場合、甲乙協議の上、仕様書の内容を一部変更することができるものとする。(8) 乙が本業務を実施するに当たって取り扱う個人情報は、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)に基づいて取扱いに十分留意し、漏えい、滅失及びき損の防止その他個人情報の保護に努めるものとする。(9) 上記に関わらず、明示のない事項にあっても、社会通念上当然必要と思われるものについては本業務に含まれるものとする。

名称 摘 数 量 単位 単価 金 額 備 考栃木県新防災教育施設展示設計業務A. 直接人件費 【 】(1) 展示基本設計業務 ( )管理技術者 人日主任担当技術者 人日担当技術者 人日(2) 展示実施設計業務 ( )管理技術者 人日主任担当技術者 人日担当技術者 人日(3) 建築設計との調整業務 ( )管理技術者 人日主任担当技術者 人日担当技術者 人日B. 直接経費及び間接経費 【 】A×( ) 1.0 式C. 技術料等経費 【 】(A+B)×( ) 1.0 式業 務 価 格(A+B+C) 1.0 式消 費 税 等 相 当 額 10.0 %合 計 金 額 1.0 式

新防災教育施設基本計画(概要版)Ⅰ 新防災教育施設のあるべき姿■本施設の位置づけ総合防災拠点(県総合運動公園)の平時からの防災にかかる学習・教育機能として整備します。

※栃木県地域防災計画(令和5(2023)年1月改定)の中で、県内外における大規模災害時の的確な被災地支援のための機能と住民が適切な避難行動等を行えるようにするための平時からの防災にかかる学習・教育機能を兼ね備えた総合的な防災拠点として、県総合運動公園を指定しました。

Ⅱ 新防災教育施設の各機能の考え方施設コンセプトを達成するため、①多くの県民が利用し、防災に関する人材の交流も創出するための「つどい機能」②VR等の活用などによるストーリー性とターゲットごとに変化性のある「まなび機能」③来訪が難しい県民への発信や多様な主体と連携する「ひろがり機能」を整備し、多様な活動主体や団体等の利用や連携による防災意識の向上と地域活性化を目指します。

Ⅲー1 展示計画■本施設の基本理念および方向性本施設の基本理念は防災教育を通した「助け合う未来のとちぎ人づくり」のための拠点とし、防災教育を学校や地域などへ展開し、さらに将来的には郷土愛に満ちた助け合うとちぎ人が育まれ、防災による地域コミュニティの活性化も目指します。

その実現のため、先進技術などの効果的な活用により実際の災害を疑似体験し、自分事化できるよう工夫することで、災害のメカニズム、体験、災害への備え、自助、共助などといった防災に関する一連の流れがストーリー性を持って学習でき、実践的な防災力を高めることのできる施設を目指します。

■本施設のコンセプト基本理念および方向性を実現するためのコンセプトとしていつ来ても、何度でもまなぶことができる!みんなでつどい、まなび、ひろがることで「助け合うとちぎ人」をつくる場!を掲げ、総合運動公園という立地も活かして幅広い層の県民にアプローチし、これまでにない「助け合う人づくりの拠点」としての新たな防災教育施設を実現することを目指します。

1【3つの機能とその効果イメージ】■現在の栃木県防災館の分析既存の栃木県防災館については以下のような課題があげられます。

①ストーリー性の欠如、②設備の老朽化、③利用者数の減少傾向、④学校団体の利用が少ない、⑤防災関係などの活動主体の利用が少ない上記課題を解決する新たな防災教育施設としての整備が求められます。

【未来のとちぎ人育成に向けた本施設の方向性イメージ】本施設を目的とせず来訪した公園利用者や近隣住民などが何気なく立ち寄りたくなる工夫を施します。加えて、来館を促すような多様な事業を行うことで、利用者同士による防災人材の交流拡大を図るとともに、県内の防災人材のネットワークを構築し、その拠点としても活用していきます。

つどい機能の考え方防災教育や情報を発信可能な機能を付与し、本施設への来訪が難しい県民への防災教育の提供等、県全域への学びの波及を実現します。さらに、多様な主体の各々の活動等が新たな出会い(つどい)となり、防災人材の交流を拡大(ひろがり)し、防災をきっかけとした地域の活性化を目指します。

ひろがり機能の考え方防災教育の中心であるまなび機能では、VR等の先進技術の効果的な活用などにより、栃木県の災害の多様性、実際の災害の疑似体験、その災害による大切な人を失う悲しさ等を直感できる導入展示に始まり、「いつも」の日常が「必ず」やってくる災害によって壊されてしまう恐ろしさや、そのための備え等を自分事として学習できる、実践的な防災力を高めるためのストーリーを構築します。

まなび機能の考え方■全体ストーリー単発的な災害体験の繰り返しとならないよう、個々の災害体験についてメカニズムや災害への備え等の学びを深めながら、体験全体を通して自助・共助の意識が徐々に高まるストーリー構成とし、「助け合う未来のとちぎ人」を生み出す拠点づくりを目指します。

さらに、デジタル技術を活用し、年代が上がるにつれても自助から共助の学びを多くするなど、年代等に応じて学習する内容を変化させるような工夫も施していきます。

【まなび機能の体験ストーリー構成イメージ】令和6(2024)年3月 栃木県危機管理防災局新防災教育施設基本計画(概要版)Ⅲー2 各ゾーンのイメージⅣ 施設計画整備場所:栃木県総合運動公園内第2陸上競技上前規 模:RC造1F(想定) 延床面積 約1,800㎡程度Ⅴ 事業活動の方向性本施設の機能のうち、特につどい機能とひろがり機能においては、県内の様々な活動主体を中心とした外部組織と連携し、多様な活動を継続的に実施することが重要になります。そのため、以下のような事業活動の展開を想定しており、引き続き関係機関と連携し、その具体化等について検討を続けていきます。

①連携による防災人材育成・防災人材のマッチング防災士会や消防団、県内高等教育機関など防災に関するノウハウや技術を有した主体と連携を図り、多様な防災人材を育成します。また、防災人材の登録・管理、マッチングを行うハブ機能化を目指します。

②防災に係る主体の活動及び情報発信の場の提供研修の実施や成果の発表、研究のフィールドワークを兼ねた事業の開催など、防災に係る主体の活動の場を提供し、発信機能を活用したオンラインでの研究結果発表など、情報発信の場も提供します。

③防災に係る多様な主体同士の交流及び交流成果の波及これまでにつながりがなかった防災に係る主体同士が、交流を深めることを通じて、多様な防災人材同士のマッチングや新たな防災教育のきっかけの創出等につなげます。さらには交流で得られた防災に係る知識・技能・情報やネットワークを、地域で活用してもらい、地域における防災活動の活性化を促進します。

Ⅵ 施設整備全体の概算事業費とスケジュール2日常的なつどいを誘発するよう、明るく、開かれたエントランスでは防災についての情報を提供簡易なワークショップなども開催し、にぎわいを創出エントランス シアター 地震体験 冠水体験※本計画は設計前時点でのものであり、設計等の状況に応じて修正する場合がございます。

複数台のプロジェクター投影により「映像に包まれる」臨場感や高い体感性を提供防災の自分事化につなげるため先進技術を活用没入感の高い映像投影と実際の地震波形の採用により、リアルな体験性をを実現新たな地震の追加・更新も可能水の利用を避けた冠水体験で、歩きづらさや、足元が見えない恐怖感を体感し、実際の災害時に外出することの危険性を直感■概算事業費:約26億円■スケジュール(予定)令和6~7年度 基本・実施設計令和8~10年度 展示・建築工事、外構・復旧工事令和10年度中 供用開始令和6(2024)年3月 栃木県危機管理防災局【施設のゾーニング案】

新 防 災 教 育 施 設基 本 計 画令和6(2024)年3月栃木県危機管理防災局目 次Ⅰ 新防災教育施設のあるべき姿.. 11 本施設をとりまく防災教育の在り方と本施設の位置付け.. 12 本施設の基本理念及び方向性.. 43 本施設のコンセプト及び名称の考え方.. 5Ⅱ 新防災教育施設の各機能の考え方.. 61 本施設で整備すべき3つの機能.. 62 つどい機能の考え方と展開案.. 73 まなび機能の考え方.. 84 ひろがり機能の考え方と展開案.. 8Ⅲ 展示計画.. 101 基本方針.. 102 全体ストーリー.. 123 ターゲット毎に訴求する内容の方向性.. 134 展示ゾーニングの考え方.. 145 各ゾーンの構成及び扱うテーマ、学びのポイント.. 156 本施設に求められる諸要素.. 207 各ゾーンのイメージ.. 218 ターゲット種別毎の体験フロー及び滞在時間.. 239 展示更新の在り方などの検討.. 2710 総合防災拠点の立地を生かした学びの在り方.. 27Ⅳ 施設計画.. 281 本施設の整備場所.. 282 施設に求められる規模と機能と平面計画案の作成.. 293 ZEB(Net Zero Energy Building)も含めたライフサイクルコストの考え方.. 314 各種関係法令の整理.. 31Ⅴ 事業活動の方向性.. 321 連携事業の在り方など事業活動の方向性.. 322 開館時間、休館日、入場料などの考え方.. 33Ⅵ 施設整備全体の概算事業費とスケジュール.. 35Ⅰ 新防災教育施設のあるべき姿1Ⅰ 新防災教育施設のあるべき姿1 本施設をとりまく防災教育の在り方と本施設の位置付け1-1. 我が国における防災教育の現状令和5(2023)年現在、阪神・淡路大震災(平成7(1995)年)から四半世紀、東日本大震災(平成23(2011)年)から12年が経過したこともあり災害の記憶が希薄化する中で、あらためて今後の防災を見つめ直す節目に立っています。近年は気候変動等の影響も受け、豪雨、台風など気象災害が頻発化、激甚化しており、我々は、いかなる災害からも自分自身そして周りの人々の大切な生命を守ることを最優先にした防災を実現していかなければなりません。また、学校においては、第3次学校安全の推進に関する計画(令和4(2022)年3月25日閣議決定)(以下「第3次学校安全推進計画」という。)の柱の一つに防災教育を据え、自らの生命は自らが守る意識、そのために必要な知識、災害時に率先して避難し、余力があれば周囲の人を助ける主体的な態度を身につけることは極めて重要であり、防災教育は更に一層の充実が図られるべきであるとされています。1-2. 現在の栃木県防災館の分析全ての県民が、災害から自らの生命を守ることができるようにするためには、災害時に県民一人ひとりが適切な行動をとることができるようになることが極めて重要となります。その中で、既存の栃木県防災館(以下「既存館」という。)については以下のような課題があり、それらを解決する新たな防災教育施設(以下「本施設」という。)の整備が求められます。■栃木県防災館の課題課題1 ストーリー性の欠如地震・大雨等の災害体験ができるが、災害時への備えや避難行動まで考えさせるストーリー性がありません。課題2 設備の老朽化平成4(1992)年度の開館から31年経過し、体験型装置が耐用年数を超過しており故障が頻発しています。課題3 利用者数の減少傾向開館当初の利用者数は30,000人~35,000人で推移していたものの、平成29(2017)年度以降は25,000人を割り込んでおり、右肩下がりの利用者数となっています。課題4 学校団体の利用が少ない県内の公立小学校及び義務教育学校347校中、令和4(2022)年度に既存館に来館したのは56校(16.1%)のみであり、大多数の小学校に利用されていません。課題5 防災関係などの活動主体の利用が少ない令和4(2022)年度の自主防災組織や女性防火クラブといった消防防災に係る団体の利用については16団体のみであり、共助力を育む場としての機能が果たせていません。新防災教育施設 基本計画書21-3. 本施設の位置付け栃木県は地域防災計画(令和5(2023)年1月改定)の中で、県内外における大規模災害時の的確な被災地支援のための機能と地域住民が適切な避難行動等を行えるようにするための平時からの防災にかかる学習・教育機能を兼ね備えた総合的な防災拠点として、広域災害対策活動拠点、広域物資拠点に位置付けられ各種防災機能を有するとともに、県央部に位置し県内全域をカバーできる県総合運動公園を指定しました。その被災地支援のための機能として掲げられた「備蓄機能」「救援物資集積拠点機能」「応援部隊活動拠点機能」「ヘリの離着陸機能」はすでに整備されており、本施設は「学習・教育機能」として位置付けられ、最後に整備されるものとなります。また、栃木県では以下のとおり、災害により多様な被害を受けてきたこともあり、本施設においては様々な災害について発生の仕組みや備えなどを体験・学習できることが求められます。■栃木県でこれまでに発生した主な災害発生年月 災害種別 災害名 死者数 家屋被害 その他被害等昭和22(1947)年9月 風水害 カスリーン台風 437名 2,249戸 被災者数214,895名昭和24(1949)年9月 風水害 キティ台風 12名 2,594戸昭和24(1949)年12月 地震 今市地震 10名 3,284戸 M6.4:最大震度6昭和61(1986)年8月 風水害 茂木水害 6名 137戸 り災者1,929世帯7,399名平成10(1998)年8月 風水害 那須水害 7名 95戸 り災者493世帯1,779名平成15(2003)年9月 火災黒磯ブリヂストン工場火災- - 5,000名に避難指示平成23(2011)年3月 地震 東日本大震災 4名 2,373戸最大震度6強(宇都宮、真岡、大田原、高根沢、市貝)平成27(2015)年9月 風水害 関東・東北豪雨 3名 991戸 り災者2,243世帯4,127名令和元(2019)年10月 風水害 東日本台風 4名 5,306戸 大雨特別警報発表令和3(2021)年2月 火災 足利市林野火災 - -(足利市両崖山付近)305世帯に避難指示、約167 ㏊焼失Ⅰ 新防災教育施設のあるべき姿31-4. 防災教育の方向性防災教育は、内閣府による「防災・減災、国土強靱化新時代実現のための提言(令和3(2021)年5月 25 日)」において、災害対応技術を身につける教育と狭く捉えるのではなく、地域の大人たちが子どもに背中を見せながら、地域の将来を担う人材を育む大きなプロジェクトであり、その理念を「10年後に地域を支える大人をつくり、20年後には地域の防災文化をつくる礎」としています。提言に基づき、防災教育は「第3次学校安全推進計画」の柱に位置付けられ、今後は「防災教育新時代」として実践的、効果的な防災教育を全国展開していくことが求められています。なお、栃木県では上記第3次学校安全推進計画に基づいた防災教育について、各学校で取り組むことを推進していることから、本施設においてもその方向性を踏まえた整備、活動を行っていくものとします。

■今後の防災教育の深度化の考え方イメージ提言では、防災教育の効果として「全ての子どもたちが災害時に、自らそして周囲の人の生命を守ることができるようになることは防災教育の最も重要な効果である」としています。さらに、人間力や生きる力といった非認知能力の向上に加え、郷土愛や地域を担う意識などの育成、地域と学校等が連携した防災教育に取り組むことを通じて、地域の大人が心を動かされ主体的に生命を守る防災意識を涵養するといった幅広い効果も挙げられています。また、防災教育を単に生命を守る技術の教育と狭く捉えるのではなく、「防災を通した教育」として広く捉え、人間の育成にとって重要な要素を教えやすい代表的な教育分野として位置付けるべきであるとしています。新防災教育施設 基本計画書42 本施設の基本理念及び方向性2-1.本施設の基本理念本施設の基本理念は防災教育を通した「助け合う未来のとちぎ人づくり」のための拠点とし、防災教育を学校や地域などへ展開し、さらに将来的には郷土愛に満ちた助け合うとちぎ人が育まれ、防災による地域コミュニティの活性化も目指します。そのために、以下のように防災教育の展開について方針を定めることとします。■防災教育の展開についての3つの方針方針1 他人を思いやる態度を育てる災害における自らを守る行動=自助だけでなく、周りの大切な人たちを守りたいという考え=共助への想いを学ぶことで他者への思いやりを育てます。方針2 地域への想いを深める地域の人々と連携した防災活動や地域の自然の恵みと災いを学ぶこと等を通じ、郷土愛や地域の担い手としての意識を醸成し、未来の人づくりに寄与します。方針3 大人と子どもが共に育つ未来の担い手である子どもだけでなく大人も感じ、学ぶことのできるような教育とすることで防災交流人口の拡大による地域活性化のきっかけを創出します。2-2.本施設の方向性基本理念である「助け合う未来のとちぎ人」を育成し、災害から大切な命を守れるようにするため、先進技術などの効果的な活用により災害を自分事化(体感)することで、防災の学びを動機付けます。これにより災害のメカニズム、体験、災害への備え、自助、共助などといった防災に関する一連の流れが、ストーリー性を持って学べる、実践につながるような施設を目指します。さらに、防災士会などの防災関連団体、自主防災組織や消防団などの地域、大学などの高等教育機関と連携しながら、これからの栃木県の未来を担う子どもを中心に、広く県内全域へ防災教育を本施設が提供することで、防災をきっかけに人々がつながり合える場とします。■未来のとちぎ人育成に向けた本施設の方向性イメージⅠ 新防災教育施設のあるべき姿53 本施設のコンセプト及び名称の考え方3-1.本施設のコンセプト基本理念及び方向性を実現するためのコンセプトとしていつ来ても、何度でも学ぶことができる!みんなでつどい、まなび、ひろがることで「助け合うとちぎ人」をつくる場!を掲げ、整備することとします。このコンセプトの具現化により、総合運動公園という立地も活かして、幅広い層の県民にアプローチし、これまでにない「助け合う人づくりの拠点」としての新たな防災教育施設を実現することを目指すものとします。3-2.本施設の名称本施設においては、コンセプトを表現するとともに、広く県民に愛され、県内外への話題性の創出につながるような施設名称又は愛称等をつけることが望ましいと考えられます。今後、県民からの公募やネーミングライツなど決定の方法も含め、検討していくものとします。新防災教育施設 基本計画書6Ⅱ 新防災教育施設の各機能の考え方1 本施設で整備すべき3つの機能施設コンセプトを達成するため、① 多くの県民が利用し、防災に関する人材の交流も創出するための「つどい機能」② VR等の活用などによるストーリー性とターゲットごとに変化性のある「まなび機能」③ 来訪が難しい県民への発信や多様な主体と連携する「ひろがり機能」を整備します。これにより、既存館にも来訪していた県民に加え公園利用者や近隣住民、さらに多様な活動主体や団体等の利用や連携による防災意識の向上と地域活性化を目指します。■3つの機能とその効果イメージⅡ 新防災教育施設の各機能の考え方72 つどい機能の考え方と展開案2-1.つどい機能の考え方本施設を目的とせず来訪した公園利用者や近隣住民などが何気なく立ち寄りたくなる工夫を施します。これにより多くの人々がいつでも本施設を訪れることで、日常的には防災を意識しない県民がいつでも「まなび機能」に参加する、すなわち防災教育に触れるきっかけを創出することを目指します。そのために来館を促すような多様な事業を行うことで、多様な利用者同士による防災人材の交流拡大につなげます。また、防災に関する人材が本施設に集まり、積極的な交流を図ることで、県内の防災人材のネットワーク構築の拠点としていきます。2-2.つどい機能の展開案つどい機能については、公園利用者が何気なく立ち寄り防災による交流を促すような様々な活動を行う「①広場機能」や、県内の防災に関する人材が集まるような「②防災人材ハブ機能」を以下のように展開することを想定しています。■つどい機能の展開イメージ展開① 広場機能日常的な憩いの場にもなる開かれた広場空間を設け、そこでワークショップやイベントなどの活動、カフェやショップの設置など人が立ち寄る工夫を実施することで、幅広い年代の地域の人々や県民などの来館者がつどうことによる賑わい創出と、それによる防災人材の交流拡大につなげていきます。展開② 防災人材ハブ機能県内の防災に関する技能や知識のある防災士、消防団などの地域で防災に関する活動をしている人々、高等教育機関の研究者、防災に興味のある教員などがつどい、連携するための研修室等を設け、防災人材のネットワークを強化するとともに活躍できる防災人材を増やし、地域等のニーズと防災人材をマッチングさせていくハブ機能化を目指します。

新防災教育施設 基本計画書83 まなび機能の考え方防災教育の中心であるまなび機能では、VR等の先進技術の効果的な活用などにより、栃木県の災害の多様性、その災害による大切な人を失う悲しさ等を直感できる導入展示で、災害を自分事化することから展示体験をはじめることで防災を学ぶ動機付けをし、「いつも」の日常が「必ず」やってくる災害によって壊されてしまう恐ろしさや、そのための備えを学習できるような実践的な防災力を高めるストーリーを構築します。また、各種災害の学びについても体験装置による単発的な体験にするのではなく、災害の特徴や発生後にとるべき行動などの学びを付加した個別のストーリーをつくることで、「必ずやってくる災害への対応」を実現するための防災教育とします。さらに、助け合う未来のとちぎ人づくりに向け、デジタル技術を活用し、例えば年代が上がるにつれて自助から共助の学びを多くするなど、年代等に応じて学習する内容を変化させるような工夫も施していきます。4 ひろがり機能の考え方と展開案4-1.ひろがり機能の考え方本施設から県全域に防災教育や情報を発信可能な「ひろがり機能」を付与し、本施設への来訪が難しい県民への防災教育による県全域への学びの波及を実現します。さらに防災士会などの防災関連団体、自主防災組織や消防団、女性防火クラブなどの地域、県内の高等教育機関、学校等の多様な主体がそれぞれ活動・発信する場とするだけでなく、こういった活動等から新たな出会い(つどい)が交流(ひろがり)に発展することで防災人材の交流を拡大し、複数の主体が連携する防災による地域の活性化を実現します。Ⅱ 新防災教育施設の各機能の考え方94-2.ひろがり機能の展開案ひろがり機能については、多様な主体と連携した活動を県内学校等へ発信する「①県内主体へのひろがり」を実現するため、オンラインでの情報発信などのデジタルを活用した機能を検討しています。さらに、主体同士の連携で防災による地域活性化を実現する「②主体同士のつながり」も可能な活動の場としても展開します。これらの本施設からの幅広い学びの発信や、連携の構築などの活動に加え、本施設から各地域を訪問する「③VR防災体験車の活用」を想定しています。■ひろがり機能の展開イメージ展開① 県内主体へのひろがり・デジタル設備を整備し、県内全域に防災教育をオンライン上で発信できるような「学びの発信拠点機能」とします。・防災士会や消防団、高等教育機関など防災に関する県内の多様な主体も活動可能な場とすることで、防災を通じた地域活性化の拠点機能化を図ります。・防災を学ぶ人々もフリーに活動できるスペースも兼ね、多様な属性の人々の交流を促します。展開② 主体同士のつながり・県内の主体が共に活動する場となることで、さらに県内における防災を通じた地域の活性化にもつながる「ここならでは」の活動を具現化する可能性をつくります。・多様な主体が同時に活動できるようにすることで、利用する主体同士の交流創出も図ります。展開③ VR防災体験車の活用・本年度整備予定の移動展示車両「VR防災体験車」を活用して、広く県域全体への防災教育を展開していきます。・VR防災体験車が本施設に置かれている時は、施設来訪者が希望に応じて、VR防災体験車を体験できるよう工夫します。■ひろがり機能による本施設の活動イメージ新防災教育施設 基本計画書10Ⅲ 展示計画1 基本方針1-1.展示体験の考え方「Ⅱ 3まなび機能の考え方」のとおり、本施設においては栃木県内外で発生、遭遇する多様な災害についての学びを提供することとします。その際、専用の装置を設けて高い体験性を提供すべき災害なのか、又は更新性を考慮し専用装置とすべきではない災害なのか、という観点から展示手法を以下のとおり検討しました。なお、専用装置以外で紹介する災害については広場空間などで紹介することで、いつでもだれでもが気軽に立ち寄り、学ぶことができるようにします。■災害種別による展示手法の考え方(栃木県地域防災計画より災害種別を分類)災害種別 展示手法 考え方地震 専用装置 起震装置が実現する高い再現性による体験で学びを高めるため火災(初期消火) 専用装置 日常では体験出来ない模擬的消火体験が実践的となるため火災(煙避難) 専用装置 煙避難に加え、煙の特性の見える化が学びとなるため風水害 専用装置 強烈な風(雨)の体験から、恐ろしさを感じられるため冠水 専用装置 歩きづらさなどは体験を伴うことで実感できるため雪害 グラフィックなど 体験装置化が困難であり、特徴や備えの理解が重要であるため津波 グラフィックなど 体験装置化が困難であり、特徴や備えの理解が重要であるため土砂災害 グラフィックなど 体験装置化が困難なことに加え、情報更新などが想定されるため雷 グラフィックなど 体験装置化が困難であり、特徴や備えの理解が重要であるため火山 グラフィックなど 体験装置化が困難であり、特徴や備えの理解が重要であるため原子力 グラフィックなど 体験装置化が困難なことに加え、情報更新などが想定されるため気候変動 グラフィックなど 体験装置化が困難なことに加え、情報更新などが想定されるため避難所生活 グラフィックなど 体験装置化が困難なことに加え、情報更新などが想定されるためその他 グラフィックなど その他状況に応じて情報更新を行うものとする。Ⅲ 展示計画111-2.体験装置の考え方各災害体験については、様々なバリエーション案が想定されるため、学習効果や先進性・話題性、更新性・メンテナンス性、運用性などの観点から、本施設において最適なものを検討しました。特に体験装置は「体験するだけ」になるリスクもあるため、映像装置と連動し来館者属性に応じた展開とするなど、体験の前後で学習効果を高める工夫にも配慮していきます。また、各種装置においては車いす利用者などへの提供についても考慮し、展示設計において体験装置が利用可能な利用者層についても検討します。

体験装置の種類 概要 装置の特徴VRシアター 円筒型+床面投影複数台のプロジェクタを活用した没入感のある映像等(バーチャルリアリティ)を活用し、臨場感や体感性を高め、災害を自分事化地震体験起震装置(過去&未来の地震の再現可)+複数面投影による没入映像過去の実際の地震の揺れが再現可能(今後発生する地震も再現可能)であり、体験する場所や時間帯も、壁面映像により変更可能初期消火体験 赤外線消火器装置赤外線を用いたセンサー装置(実際の消火器にセンサーがついたもの)を、火事の映像に向けることで、初期消火を模擬体験可能煙避難体験煙迷路体験+煙の様子の見える化体験者は煙の迷路を進むことで避難に必要なことを学習、見学者(待機者)は、ガラス越し(迷路の一部分)に中性帯を見学可能風水害体験送風装置による風体験+映像による雨体験送風装置で実際に風を発生させ、風速を変化させながら風を体験するとともに、大雨については、その状況等を壁面映像等で表現冠水体験ボールプールを使った冠水歩行体験+車内の水圧体験冠水時の歩きづらさをボールプールや壁面映像を活用して体験するとともに、冠水時の車内の水圧によるドアの開けづらさを体験新防災教育施設 基本計画書 Ⅲ 展示計画122 全体ストーリー「Ⅱ 3まなび機能の考え方」に記載のとおり、本施設の展示機能=まなび機能では災害によって日常が壊されてしまうことや、そのために必要な備えをまなべる実践的なストーリーとします。そのために単発的な災害体験を繰り返すのではなく個々の災害について災害や備えへの理解、学びを深めながら、体験全体が徐々に自助・共助の意識を高める以下のようなストーリー構成とし、「助け合う未来のとちぎ人」を生み出す拠点づくりを目指します。なお個々の体験内容や学ぶべき内容は本計画でも検討しその結果を後に記しますが、今後も手法を含めて最適な内容の検討を続けます。■まなび機能の体験ストーリー構成イメージ新防災教育施設 基本計画書 Ⅲ 展示計画133 ターゲット毎に訴求する内容の方向性本施設には多様な来館者層が想定され、それぞれの属性に応じた情報を学ぶことで災害や防災を自分事化することが促せます。特にコンセプトの「いつ来ても、何度でも学ぶことができる」を実現するために、年代毎のステージに応じて学ぶ内容を明確にする必要があります。そのうち提供する内容への影響が大きい要素である「自助・共助のそれぞれを学ぶべきなのか」、「まずは自身の身を守る自助のみ学べばよいのか」について以下のように整理しました。■年代に応じた学びのポイント新防災教育施設 基本計画書144 展示ゾーニングの考え方全体ストーリーを具現化するためにゾーン毎のつながりなどを以下のようにゾーニング案を検討しました。具体的なゾーニングは建築設計・展示設計における平面計画の策定の中で行うものとし、今回は案としての作成になります。■まなび機能を中心としたゾーニング案新防災教育施設 基本計画書 Ⅲ 展示計画155 各ゾーンの構成及び扱うテーマ、学びのポイント展示構成においてはゾーン毎で想定される学びのテーマや特に重要なポイントなどを検討し、以下のように整理しました。なお本構成は案であり、今後の展示設計・展示制作で詳細を検討していくものとします。

■展示構成案【自由学習ゾーン】ゾーン 項目 手法 学びのテーマやポイント案いつもコア(エントランス)災害なぜなにハンズオン ハンズオン 液状化や土石流などの各種災害テーマが直感的にわかるハザードマップ いつでも学び展示 各種災害におけるハザードマップを紙媒体などで閲覧可能栃木で起こった災害 いつでも学び展示 栃木で実際起こった災害をそれぞれ紹介する災害・防災関連書籍、パンフレット いつでも学び展示 様々な災害や防災に係る書籍やパンフレットなどをフリーにくつろぎながら読める施設活動成果 いつでも学び展示 工作ワークショップなどでつくられた成果品を展示、今後の参加を促進いつでも体感AR(避難所生活など) いつでも体験展示 日常的な立ち寄りでも体験可能なARなどの体験アイテムも整備し、日常的な防災の学びを実現いつも備えるライブラリー災害サイエンス グラフィック・映像 災害発生の理由や様々な用語などのうち、災害体験より深めの情報を解説いろいろな災害を学ぶ 雷や雪害など、特に体験装置のない災害についての知識や備えを紹介雪害 グラフィック いつでも学ぶことのできる静的な展示で情報提供津波 グラフィック いつでも学ぶことのできる静的な展示で情報提供土砂災害 グラフィック いつでも学ぶことのできる静的な展示で情報提供雷 グラフィック、映像など 仕組みなどを分かりやすく映像も用いて解説火山 グラフィック いつでも学ぶことのできる静的な展示で情報提供原子力 グラフィック、映像など 最新の状況や考え方を更新しながら提供可能気候変動 グラフィック、映像など 最新の状況や考え方を更新しながら提供可能避難所生活 グラフィック、映像など 最新の状況や考え方を更新しながら提供可能その他 サイネージなど その他、様々な内容を来館者毎の興味、関心などに応じて選択して学べるよう工夫災害、その時なにをする グラフィック・コンテンツ 災害に遭遇したその瞬間にとるべき行動をグラフィックやクイズコンテンツなどで解説防災に役立つ事前の備え 実物・グラフィック 備蓄用品や備蓄燃料など災害前に備えることのできる内容を実物やグラフィックで紹介災害発生からの72時間 実物・グラフィック・映像 災害発生から起こる二次災害などを時系列で紹介するタイムライン展示非常持ち出し袋をつくろう 実物・グラフィック 様々な用品を実際に詰めることで必要かつ実際に持ち出し可能な内容を体験家族と話そう 持ち帰り展示・グラフィック 避難場所や近所の危険個所など家族で話すべき内容をカードなど持ち帰り可能な形式で提供いつでもボウサイネージ サイネージ「町や学校、職場の防災設備」「国・県における公助」「わたしの住む町の災害や防災」「最新防災ニュース」「障がい者の避難」「多様な人たちへの配慮」等の様々なテーマを、更新性の高いサイネージで展開子ども向けコンテンツ 映像 更新性と若年層の恐怖感低減に配慮したサブコンテンツも整備【体験ゾーン:シアターゾーン】ゾーン 項目 手法 学びのテーマやポイント案イマーシブVRシアターイマーシブ災害体感シアター 没入体感VR映像栃木県で起こりうる多様な災害を一気に同時体感できる、360 度包まれたような没入体感映像=VRによるシアターで体験全体の学びを向上新防災教育施設 基本計画書 Ⅲ 展示計画16【体験ゾーン:地震等体験ゾーン】ゾーン 項目 手法 学びのテーマやポイント案地震体験ゾーン体験前の学び(各災害がなぜ起きるのかを学ぶ)グラフィック・映像【地震はどのようにして起きるのかを知ろう】地球内部の構造(地殻とマントル)、海溝型・直下型地震のしくみの違い、日本周辺で地震の起こる場所、その後起きる津波体験前の学び(ここからの学びにつながる言葉や考え方を学ぶ)グラフィック【よく耳にする地震に関する言葉を知ろう】地震波について(P波・S波)、海のプレート・陸のプレート、マグニチュードと震度、活断層、南海トラフ、プレートテクトニクス体験中の学び 専用装置+映像【実際に起きた様々な地震を体験しよう】実際の地震のその瞬間にいかに何もできないか(事前の備えがいかに重要か)見学中の学び 見学+グラフィック・映像【実際に地震が起きたときの様子を見てみよう】被災の瞬間にとるべき「正しい行動」の困難さ体験後の学び(災害の被害を抑えるための事前の工夫を学ぶ)グラフィック・映像【自分が助かる対策を学ぼう】家具類の転倒防止、近所の危険個所の確認、非常用品の備え、避難場所などの事前の話し合い、ブロック塀の倒壊を防ぐ対策、ガラスの飛散対策【人を助ける対策を学ぼう】地域の危険個所や周辺の学校・高齢者施設などの確認、自主防災組織への参加など体験後の学び(実際に災害に遭遇した際にとるべき行動を学ぶ)【自分が助かる行動を学ぼう】〇その時:まずは身の安全、シェイクアウト(ドロップ・カバー・ホールドオン)、ダンゴムシのポーズ〇直後:火の元確認、避難経路の確保〇その後:電気やガスの確認、正しい情報の獲得と避難【人を助ける行動を学ぼう】〇その後:近隣の安否確認、協力し合った救護次の体験へのブリッジ 安全が確保できたら初期消火を行おう!新防災教育施設 基本計画書 Ⅲ 展示計画17ゾーン 項目 手法 学びのテーマやポイント案初期消火ゾーン体験前の学び(各災害がなぜ起きるのかを学ぶ)グラフィック・映像【出火はどのようにして起きるのかを知ろう】主な出火原因、火災の種類、燃焼の原理【初期消火はどのようにすべきかを知ろう】出火時の消火方法、消火薬剤による消火器の分類体験前の学び(ここからの学びにつながる言葉や考え方を学ぶ)グラフィック【よく耳にする火災・初期消火に関する言葉を知ろう】収れん火災、トラッキング現象、自動火災報知設備体験中の学び 専用装置+映像【実際に出火から初期消火の流れを体験しよう】火災の発見から消火(避難)までの流れとそれぞれのポイントを体験(消火器の使い方を知らないとどうなるか)見学中の学び 見学+グラフィック・映像【実際に初期消火している様子を見てみよう】いざという時のために消火器の使い方を知っていることの重要性体験後の学び(災害の被害を抑えるための事前の工夫を学ぶ)グラフィック・映像【自分が助かる対策を学ぼう】自宅での住宅用消火器の設置場所と避難経路の確認【人を助ける対策を学ぼう】消火栓などの自宅以外、消火器以外の設備の使い方自宅周辺も含めた放火されない環境づくり、

自主防災組織への参加など体験後の学び(実際に災害に遭遇した際にとるべき行動を学ぶ)【自分が助かる行動を学ぼう】〇その時:大きな声で119番〇直後:可能であれば初期消火〇その後:すみやかな避難【人を助ける行動を学ぼう】〇その後:協力し合った消火次の体験へのブリッジ 無理な消火はせず、速やかに避難しよう!煙避難ゾーン体験前の学び(各災害がなぜ起きるのかを学ぶ)グラフィック・映像【煙にはどのような特性があるかを知ろう】煙が人体に及ぼす危険性、煙の動き方、煙による視界の現象、煙の中での正しい避難行動に関する知識体験前の学び(ここからの学びにつながる言葉や考え方を学ぶ)グラフィック【よく耳にする煙に関する言葉を知ろう】中性帯(ニュートラル・プレーン)体験中の学び 専用装置+映像【実際に煙避難を体験しよう】煙に巻かれてしまった場合の見えづらさ、行動しづらさを体感見学中の学び 見学+グラフィック・映像【実際の煙の動きなどの様子を見てみよう】煙の特性や動き方などを実際に見てみることで理解を深める体験後の学び(災害の被害を抑えるための事前の工夫を学ぶ)グラフィック・映像【自分が助かる対策を学ぼう】火災発生時の正しい逃げ方、建物外や下階への避難、煙を吸わない工夫、危険な行動(エレベーターの使用、逃げた後に再び戻る)【人を助ける対策を学ぼう】日常的な階段の場所や誘導灯、避難器具の位置を確認し避難の誘導などにつなげる地下街や宿泊施設、商業施設などの自宅や職場以外での避難への意識体験後の学び(実際に災害に遭遇した際にとるべき行動を学ぶ)【自分が助かる行動を学ぼう】避難の方法:姿勢を低くする、ハンカチなどで口をふさぐ、「誘導灯」を探す、避難扉を閉め煙の侵入を防ぐコースの総括 地震・火災などの際、まずは自分の身を守る「自助」をこころがけ、その後周りと協力し助け合う「共助」をしていきましょう!新防災教育施設 基本計画書 Ⅲ 展示計画18【体験ゾーン:風水害体験ゾーン】ゾーン 項目 手法 学びのテーマやポイント案風水害ゾーン体験前の学び(各災害がなぜ起きるのかを学ぶ)グラフィック・映像【風水害にはどのような危険性があるかを知ろう】水害の分類、台風の仕組み、これまでに起きた大きな水害、雷の危険性と発生の仕方体験前の学び(ここからの学びにつながる言葉や考え方を学ぶ)グラフィック【よく耳にする風水害に関する言葉を知ろう】線状降水帯、局地的大雨(ゲリラ豪雨)、外水氾濫・内水氾濫、ダウンバースト体験中の学び 専用装置+映像【実際に風水害を体験しよう】天気予報で聞く様々な表現の実際の強さを体験・体感見学中の学び 見学+グラフィック・映像【実際の風水害時の様子を見てみよう】いかに風水害の中では何もできないか、被害を回避することの重要性体験後の学び(災害の被害を抑えるための事前の工夫を学ぶ)グラフィック・映像【自分が助かる対策を学ぼう】天気予報や気象状況への意識、避難グッズの事前準備、避難経路・避難場所の把握、災害に備えた家屋の点検【人を助ける対策を学ぼう】獲得した防災情報の共有など体験後の学び(実際に災害に遭遇した際にとるべき行動を学ぶ)【自分が助かる行動を学ぼう】〇その時:まずは風水害時には外出を控えるなどの行動、屋外で飛来する危険物などへの意識〇直後:警戒警報・避難命令などには速やかに従う〇その後:持ち出す荷物はなるべく少なく、身軽に動けることを優先【人を助ける行動を学ぼう】〇その後:避難する時はみんなと一緒に、お年寄りや子供を優先し落ちついて行動次の体験へのブリッジまずは屋外に出ないこと、そしてアンダーパスなどの被害を避けることを心がけましょう。

それではもし屋外にいた場合などの冠水の危険性を体験してみましょう!新防災教育施設 基本計画書 Ⅲ 展示計画19ゾーン 項目 手法 学びのテーマやポイント案冠水ゾーン体験前の学び(各災害がなぜ起きるのかを学ぶ)グラフィック・映像【冠水を避けるための考え方を知ろう】避難経路と避難方法、警戒レベル相当情報と避難のタイミング体験前の学び(ここからの学びにつながる言葉や考え方を学ぶ)グラフィック【よく耳にする冠水に関する言葉を知ろう】アンダーパス、ハザードマップ、災害の相転移体験中の学び 専用装置+映像【実際に冠水を体験しよう】冠水時の歩きづらさ、足元の見えづらさを体感見学中の学び 見学+グラフィック・映像【冠水時の様子を見てみよう】歩きづらそうにしている様子などから、冠水時の外出等のリスクを感じる体験後の学び(災害の被害を抑えるための事前の工夫を学ぶ)グラフィック・映像【自分が助かる対策を学ぼう】雨水ます上や浄化槽などへの配慮、ハザードマップでの危険な区域・避難場所のチェック、トイレ・風呂場・洗濯機の排水口からの逆流対策、家財道具の上層階への移動体験後の学び(実際に災害に遭遇した際にとるべき行動を学ぶ)【自分が助かる行動を学ぼう】ゴミ袋を使った簡易水のう、簡易止水板で家屋へ流入する水をせき止めるなどの対応【人を助ける行動を学ぼう】冠水被害にあわないような声かけの重要性コースの総括強い雨や風の際、まずは外出などを避けることで自分の身を守る「自助」をこころがけ、その後周りと協力し助け合う「共助」をしていきましょう!【体験ゾーン:双方向学習ゾーン】ゾーン 項目 手法 学びのテーマやポイント案双方向学習ゾーン体験中の学び(日常の備え、各災害が起きたときの二次災害を防ぐ行動や身近な設備の復旧方法などを学ぶ)双方向体験【日常の備え】災害用伝言ダイアル(伝言板)の使い方、避難場所の確認、備蓄品の確認、非常持ち出し袋の準備、ローリングストック、ハザードマップの確認、家具転倒の防止や配置、延焼を防ぐための配置、割れたガラスによるけがを防ぐための対策、119番通報で聞かれる内容、応急救護 など【二次災害を防ぐ行動】安全を確認した後の火元の確認、浸水を防ぐための土のう、がけ崩れの予兆を知る、熱中症への備え、エコノミークラス症候群の予防としての運動の必要性、避難所生活のための準備、アレルギーや宗教など様々な特性に応じた準備 など【身近な設備の復旧方法など】マイコンメーターの復帰、通電火災を防ぐ電気の復旧(アンペアブレーカー、漏電遮断器、安全ブレーカーの順番)、浸水した家の排水と清掃、簡易トイレのつくり方 など新防災教育施設 基本計画書206 本施設に求められる諸要素本施設の諸要素としては、多様な利用者に対しての学びに係る情報提供やつどい、ひろがりなどに必要となる全体的な考え方が想定されます。あわせて専用装置などの設置に係る個々の諸室に求められる建築、設備などのハード的な条件も含め、以下のように整理します。■本施設全体の考え方(施設整備関連)・日常的な防災教育を実現するために、施設エントランス付近に自由に滞留可能な空間を整備します。・団体利用者と個人利用者などの、それぞれが同時に体験可能な諸室配置及び動線計画とします。・来館を促すような公園内外への高い訴求力と、入りやすいアプローチを両立します。・全ての方が快適かつ安心して体験できるよう、ユニバーサルデザインに配慮します。(展示・什器関連)・将来的なリニューアルや展示内容の容易な更新を考慮した、展示方法を検討します。・専用装置の設置やメンテナンス、更新に必要なバックヤードなど、管理者動線も効果的なものとします。・照明についてはLED、プロジェクターはレーザー式を採用するなど、メンテナンスに配慮した器具・機器を設計段階で選定します。(運用)・授乳室やキッズスペースの設置や、防犯カメラなどのセキュリティ面の配慮など、小さな子ども連れでも安心して利用できる施設とします。・特に団体利用などで求められる駐車スペースは、公園全体の駐車場の活用を含めて検討します。Ⅲ 展示計画217 各ゾーンのイメージ本施設のイメージとしては、以下のように想定していますが、今後の展示設計・展示制作で詳細を検討していくものとします。エントランス:つどいを誘発するよう、明るく、開かれたエントランスシアター:複数台のプロジェクタによる映像等により災害を自分事化新防災教育施設 基本計画書22地震体験:過去の地震の再現、新たな地震の追加、更新も可能冠水体験:歩きづらさ等の体験、災害時の外出の危険性を直感Ⅲ 展示計画238 ターゲット種別毎の体験フロー及び滞在時間8-1.体験フローと滞在時間の考え方本施設においては、予約団体の受入れに加え、立ち寄り利用者の体験フローも重要になります。

新防災教育施設 基本計画書 Ⅳ 施設計画28Ⅳ 施設計画1 本施設の整備場所本施設は、視認性が高く、幅広い利用者の呼び込みが可能な県総合運動公園の第2陸上競技場前に整備することとし、本計画段階での立地条件を記載します。条件については今後変更の可能性がありますが、必要に応じて設計段階で対応するものとします。■各種条件など ■整備候補地及び総合防災拠点の機能敷地条件:栃木県宇都宮市西川田4丁目1−1 栃木県総合運動公園内交通計画(アクセス):電車東武宇都宮線/西川田駅から徒歩15分JR宇都宮線/雀宮駅から徒歩30分、タクシー・車で10分バスJR宇都宮駅から約18~30分JR雀宮駅から約7~18分自家用車東北自動車道/鹿沼ICより車で15分北関東自動車道/壬生ICより車で20分北関東自動車道/宇都宮上三川ICから車で15分法令上の制限:建築基準法、都市計画区域内/市街化区域第1種住居地域建ぺい率―60%容積率―200%防火・準防火地区―指定なしその他の地域地区―指定なし栃木県建築基準条例都市計画法、特別業務地区(栃木県総合運動公園スポーツ・レクリエーション地区)都市公園法栃木県都市公園条例Ⅳ 施設計画292 施設に求められる規模と機能と平面計画案の作成本施設ではまなび機能に加え、つどい機能やひろがり機能及びこれらを実現するために必要な管理機能などを以下のように設定し、RC造1F(想定)、延床面積の計として1,800㎡程度の施設規模とします。また、それぞれの機能が有効に連携しあえるよう平面計画案を作成しましたが、具体的なレイアウトは建築設計・展示設計における平面計画の策定の中で行うものとし、今回は案としての作成になります。■区分ごとに必要な規模案(想定であり、区分間の面積は全体の延床面積を上限として設計時に柔軟に対応)区分 構成要素 面積展示シアター、各種災害体験(地震、初期消火、煙避難、風水害、冠水)、そのほか展示・体験機能、共用部展示 など1,000㎡管理 会議室、事務室、多目的スペース など 350㎡その他 その他諸機能 450㎡延床面積 計 1,800㎡新防災教育施設 基本計画書 Ⅳ 施設計画30■平面計画案Ⅳ 施設計画313 ZEB(Net Zero Energy Building)も含めたライフサイクルコストの考え方「とちぎ県庁ゼロカーボンプロジェクトアクションプラン」において、新たに整備する県有施設は、高効率空調機器の導入や、屋根・外壁等への十分な断熱材使用など、省エネルギー対策を徹底し、ZEBReady相当以上の基準を満たすことを目指すとされています。それを踏まえ、本施設の具体的な目標については建築基本計段階で検討するものとします。また、とちぎ木材利用促進方針には「2階建て以下かつ延べ面積 3,000 ㎡以下の公共建築物については、木造化を原則」とありますが、本施設は起震装置、送風装置等を使用する体験展示施設であり耐久性がより重要であることから、建物の構造については、非木造とし、一部木質化に努めることとし、こちらについても具体的には建築基本設計段階で検討するものとします。4 各種関係法令の整理本施設の整備に当たり関係する法令としては28ページに記載しているものの他に、以下のものが考えられます。その他の法令など含め、建築基本計段階で改めて確認するものとします。・航空法・土壌汚染対策法・景観法(宇都宮市景観条例)・バリアフリー法(宇都宮市やさしさをはぐくむ福祉のまちづくり条例)・宇都宮市埋蔵文化財包蔵地―該当なし新防災教育施設 基本計画書32Ⅴ 事業活動の方向性1 連携事業の在り方など事業活動の方向性本施設の機能では特につどい機能とひろがり機能においては、県内の様々な活動主体を中心とした外部組織と連携し、多様な活動を継続的に実施することが重要になります。以下のような事業活動を展開することが望ましいと考えられますが、今後も連携先や行う活動について検討を続けていきます。■事業活動のイメージ活動方向性① 連携による防災人材育成・防災人材のマッチング防災士会や消防団、県内高等教育機関など防災に関するノウハウや技術を有した主体と連携を図り、多様な防災人材を育成します。また、防災人材の登録・管理、マッチングを行うハブ機能化を目指します。【育成する防災人材のイメージ】・自然災害の基礎知識や防災活動の実践的知識を習得した地域、職場のリーダーとなる人材・地域の防災活動を支援する防災士のスキルアップ・地域の未来を担う防災のリーダー役となる子どもたち・災害時に求められる支援に対し、効率的な活動の展開をコーディネートする人材・防災教育を行う教職員のスキルアップ活動方向性② 防災に係る主体の活動及び情報発信の場の提供研修の実施や成果の発表、研究のフィールドワークを兼ねた事業の開催など、防災に係る主体の活動の場を提供し、発信機能を活用しオンラインで研究結果を発表するなど、情報発信の場も提供します。【活動・情報発信のイメージ】・防災士会による講演会、講習会・自主防災組織活動の事例発表・県内大学の防災サークルによる活動報告・県内高等教育機関による研究成果発表・県内学校の生徒による防災関連の自主学習の成果発表活動方向性③ 防災に係る多様な主体同士の交流及び交流成果の波及これまでにつながりがなかった防災に係る主体同士が、交流を深めることを通じて、多様な防災人材同士のマッチングや新たな防災教育のきっかけの創出等につなげます。さらには交流で得られた防災に係る知識・技能・情報やネットワークを、地域で活用してもらい、地域における防災活動の活性化を促進します。【交流事業のイメージ】・自主防災組織や企業等の防災の学びを行う団体と、防災士会、消防団、県内高等教育機関等の防災に関する知識や技能を有する組織の交流Ⅴ 事業活動の方向性33・自主防災組織や企業、防災士、消防団等が一同に介した防災訓練・交流で得られた防災ノウハウを、地域での防災活動で活用・他自治体の防災教育施設等と、防災に係る効果的なイベントやワークショップ等の情報交換や共同企画2 開館時間、休館日、入場料などの考え方本施設の開館時間、休館日、入場料などについては、県内展示施設及び国内の防災教育施設の状況から方向性を検討していきます。また県総合運動公園の運営者とも連携し、公園利用者にとって使いやすいとともに、効果的で円滑な運営を可能なものとするようにします。

■栃木県内の展示施設における事例(令和5(2023)年11月時点)施設名 開館時間 休館日※1 入場料※2、※3栃木県立博物館 9時30分~17時月曜日(祝日の場合は翌日)一般:260円、大高生:120円、中学生以下無料栃木県立美術館 9時30分~17時月曜日祝日の翌日一般:260円、大高生:120円、中学生以下無料栃木県子ども総合科学館 9時30分~16時30分月曜日祝日の翌日【展示室】一般:550円、中学生以下:220円、3歳以下:無料【プラネタリウム】一般:220円、中学生以下:110円、3歳以下:無料宇都宮美術館 9時30分~17時月曜日祝日の翌日一般:310円、大高生:210円、小中学生:100円小山市立博物館 9時~17時月曜日第4金曜日無料佐野市郷土博物館 9時~17時月曜日毎月末日無料足利市立美術館 10時~18時月曜日(祝日の場合は翌日)中学生以下無料壬生町おもちゃ博物館 10時30分~15時30分月・火曜日(祝日の場合は翌日)高校生以上:600円、中学生以下:300円、3歳以下:無料大谷資料館【4月~11月】9時~17時【12月~3月】9時30分~16時30分【4月~11月】なし【12月~3月】火曜日(祝日の場合は翌日)一般:800円、小中学生:400円、未就学児無料※1:休館日における年末年始や臨時休館など特殊な内容は除く※2:特別展など別途展覧会によって金額設定されている場合を除く※3:団体料金を別途設定している場合があるが、本表からは除く新防災教育施設 基本計画書34■都府県の防災教育施設における事例施設名 開館時間 休館日※1 入場料青森県防災教育センター 9時~16時土・日曜日祝日無料岩手県立総合防災センター 9時~17時月曜日(祝日の場合は翌日)無料秋田県防災学習館 9時~16時 なし 無料山形県防災学習館9時30分~16時30分月曜日(祝日の場合は翌日)祝日の翌日無料栃木県防災館9時30分~16時30分月曜日(祝日の場合は翌日)無料埼玉県防災学習センター「そな~え」9時~16時30分月曜日(祝日の場合は翌日)無料千葉県西部防災センター 9時~16時30分火曜日(祝日の場合は翌日)無料本所防災館(東京消防庁) 9時~17時水曜日第3木曜日無料池袋防災館(東京消防庁)9時~17時(毎週金曜日は20時15分まで)第1・3火曜日第3火曜日の翌日(祝日の場合は翌日)無料立川防災館(東京消防庁) 9時~17時木曜日第3金曜日(祝日の場合は翌日)無料神奈川県総合防災センター 9時~17時月曜日(祝日の場合は翌日)祝日の翌日無料四季防災館(富山県) 9時~17時月曜日(祝日の場合は翌日)無料山梨県立防災安全センター 9時~17時第2・第4日曜日祝日無料岐阜県広域防災センター 9時~16時30分月・土曜日日曜日(毎月第3日曜日を除く)無料静岡県地震防災センター 9時~16時 月曜日 無料愛知県防災教育センター 10時~16時 土・日曜日 無料人と防災未来センター(兵庫県)9時30分~17時30分月曜日(祝日の場合は翌日)一般:600円、大学生:450円、高校生以下:無料三木総合防災公園(兵庫県) 9時~17時火曜日(祝日の場合は翌日)無料徳島県立防災センター 9時~17時月曜日(祝日の場合は翌日)第1火曜日(祝日の場合は開館)無料香川県防災センター 9時~17時月曜日(祝日の場合は翌日)無料※1:休館日における年末年始や臨時休館など特殊な内容は除くⅤ 事業活動の方向性Ⅵ 施設整備全体の概算事業費とスケジュール35■県総合運動公園の施設供用時間など運動施設(一部除く)8時30分~18時(3月~9月)/17時(10月~2月)カンセキスタジアムとちぎ8時30分~21時ユウケイ武道館9時~21時とちのきファミリーランド9時30分~17時(3月~10月)10時~16時30分(11月~2月)駐車場5時~21時30分Ⅵ 施設整備全体の概算事業費とスケジュール・概算事業費:約26億円・スケジュール:令和6~7 基本・実施設計令和8~10 展示・建築工事、外構・復旧工事・供用開始:令和10(2028)年度中